自動車整備士資格がない・3級資格の方に伝えたい仕事探しのコツ

「求人情報を検索しても、軒並み2級自動車整備士資格が必須になっている。
2級自動車整備士がないと整備士として働くのって難しいの?」
そうお考えの方も多くいらっしゃると思います。

結論から言うと、2級自動車整備士以上の資格がなくても「3級自動車整備士を持っている方」や、「整備業務の経験が豊富な方」、「整備業務が未経験・経験が少ない方」の場合は年齢にもよりますが、仕事はあります

ただし、仕事を探すのは2級自動車整備士をお持ちの方より格段に難しくなってしまいます
(こちら読んでいない方は合わせて読んでください  整備士の仕事をするなら2級自動車整備士資格は絶対取るべき理由  

厳しいようですが、2級自動車整備士を持っている方より、入社後の活躍の余地が限られてしまうと判断されてしまいます。
働く身としても、活躍できない職場でやりがいなく働くなんて、つまらないし居心地悪いですよね。

あなたが活躍できる職場を探すためには、「資格要件が劣ってしまうというビハインドを複合的な要件で埋める」ことが重要です。

  • ビハインドを埋める=あなたが欲される職場を適確に捉えること。
  • 複合的な要件で埋める=自動車整備だけの作業以外に、あなたという人が求められる理由のある仕事を探すこと。

今、自動車整備士の求人倍率は2倍以上です。
求人を出していない会社でも、実際には自動車整備士を欲している可能性は十分ありえます。

ビハインドを持った状態でも、自動車整備士をするということを決めているのであれば、ポイントを押さえて仕事を探せば「あなたが手に入れたい技術や経験」を手に入れるチャンスが豊富にあります

それでは、資格がなくても仕事を探すコツ・活躍できる企業や働き方を、具体的にお伝えします。 

知っていたら仕事が見つけやすい!自動車整備業界で仕事を探す秘訣

中途の自動車整備士が一番欲される9月~3月の入社を狙う

自動車整備業界は、業態問わず決算期が3月となっているケースがほとんどです。

決算期に向け、次第に忙しくなり、3月でひと段落した後、4月に新卒採用も合わさり、採用の手は一旦落ち着きを取り戻します。

また、自動車整備業界にとどまらず一般的な企業では、夏のボーナス期後の8月あたりに退職者が出やすく、9月に秋採用を行っている企業が多いのです。
さらに、10月頃から車検のシーズンに入り、人手不足が顕著になります。

つまり、秋口9月~決算の3月までであれば中途入社がしやすいシーズンとなります

自動車整備士が入社しやすい時期

青色部分が入社しやすい時期、赤色は入社しにくい時期

秋口になると、繁忙期に備えて、採用担当者が中途の採用に力を入れます。
そして、3月に近づけば近づくほど先の4月が見えてきたり、積極的な採用活動により枠が埋まり、中途採用枠は縮小傾向となります。
一番の狙い目は9月~1月あたりまで、ということです。

一般的に就職活動には2~3ヶ月は要すると言われています。
もうすぐ6月、あと3ヶ月ほどで9月に差し掛かります。

今の時期からしっかり活動をしていくことが重要です。

勿論、これは入口だけの話で、一度入社して実力を発揮すれば、企業としても頑張ってくれる社員を手放す必要はないのです。
入社のハードルが下がるからと言って、仕事を続けていくことのハードルが上がるわけではありません。

仕事が探しやすい地域を狙う

仕事を探す時、まず「どこで働くか?」を考えると思います。
あれもこれもとなると、範囲が広すぎて仕事を探しづらくなるし、限定しすぎると仕事がまったくなかったりということも。

やりたい仕事であれば、当然、競争が激しくない方が自信も持てるし、仕事に就いたあとも安心でき、重宝される方がよりやりがいを持って仕事に打ち込めます。

人口分布図
例えば、人口の流入が多い地域(首都圏・都市部など)はその分就職の競争も激しく、2級自動車整備士資格必須の傾向が強いです。

下記2つのグラフを、あなたのお住まいの地域や近隣の地域、住んでみたいと思える地域を中心に見てみてください。

  クリックでグラフ拡大

【県別】自動車整備工場数と人口の割合比較

整備工場数の割合が多い地域の方が、一人に対しての働き先が多い=人員不足の傾向が強く、就職しやすい。

≪ ↑ 自動車整備工場数と人口の割合比較:整備工場の数と人口の数は地域によってバラつきがあり、特に都市部の方が、整備工場(整備士の働き先の数)が少ない。≫

【県別】整備工場数と人口数の差分

差分プラスになるほど、人員不足の傾向が強く、就職しやすい。

≪ ↑ 上記グラフは【その県にある整備工場数】と【その県に住んでいる人口数】を、県ごとに全国対比を割り出して差し引いたもので、その県に住んでいる人の割合に比べて整備工場の割合が高いとプラス表示、人口の割合が高いとマイナス表示。差分ゼロが平均。≫

グラフから見て取れるように、人がたくさん住んでいる地域に整備工場が多いわけではないのです。
車は、電車やバスなどの交通網が発達していない地域で必要となるにも関わらず、そのような地域は働き手が少ない。

整備職が必要とされる企業の大多数は、その地域ごとに法人が分かれており、全国展開をしている企業はごく少数です。
そのため、同じ看板の上がっている企業でも、地域ごとに採用基準がちがいます。

入社が難しいと感じる直営ディーラーであったとしても、地域によって人手不足の度合が大きく変わり、自動車整備士資格にとらわれず採用枠がある傾向にあります。

自分の持っている強みを発揮できれば、活躍できる仕事の幅が広くなります。
今一度、あなたの強みを洗い出しましょう。

整備以外にどんな作業ができるのか?

フロントマンの経験がある
見積ができる
板金塗装の見積ができる
接客が得意
部品のことはとっても詳しい
営業折衝能力に長けている
コーティングの経験がある    …など。

オーソドックスな自動車整備職にこだわらず、自分の得意としていることを強みとして、「コミュニケーションが得意」であればフロントマン、「部品が詳しい」ならパーツマンなどや、自動車整備と複合的に携わるような職場であれば、一歩抜きん出ることができます。

*補足:自動車整備士資格がなく、自動車整備士経験が少ない場合

自動車整備経験が軽整備も含めてまったくない場合は、整備資格があっても30代後半の年齢に差し掛かると、自動車整備士として活躍するのはかなり難しいです。

全くあり得ないとは言いません。
多数の整備士さんにお会いしてきましたが、唯一ひとりだけ、整備経験・資格がない状態で、カー用品店での軽整備業務から始めて、重整備までできるようになって行った方がいらっしゃいました。

ただし、相当根気のいることだと覚悟をしてください。
また、今までの職務経験を活かす方があなたに合っていることも多いと思います。
今一度、整備士以外の職制を選ぶを参考にしてください。

30代前半までであれば、年齢に比例して転職の難易度が上がっていきますが、自動車整備士は不足しているため、活躍できる仕事先を見つけることは可能です。

整備士資格を持っている方と比べて、勝てる部分は「自動車整備士をやりたい気持ち」につきます。
広すぎる状態で探しても見つけることは困難になるので、軽度な整備作業からスタートできる企業を探し、「業務で自動車に携わっている」という実績を作ることが大事です。

自動車整備士資格にとらわれず、活躍できる企業

小規模な会社

こんな人におすすめ  整備作業にこだわりたい人 資格取得を目指す人 メカニック以外の職種を経験したい人 整備経験が少ない人

小規模な会社であれば、工員数が足りない場合を除いて、強く自動車整備士資格を問われることは少ないです。
人数が少ないので、会社の決まりごとにとらわれず、状況に応じて柔軟に採用の可能性があります。

その分、一人が担う作業の内容は多岐に渡り、様々な作業を自発的にこなすことを求められます

小規模な企業は、それぞれの特異性を出して他社との差別化を図る必要性があります。
そのため、会社ごとに専門の取扱い車種(得意な車種)が細かく分かれており、経験してきた車種がピッタリはまるほど資格に左右されず経験値を買ってもらいやすいです。

給料も柔軟に決定されやすく、個人ごとに経験値に準じた評価がしやすく、整備資格に比例して下がってしまうことは少ないです。

正規ディーラーであっても小規模であれば、工員数に問題がない場合、臨機応変に採用枠があります。

ガソリンスタンド

こんな人におすすめ  大手企業で安定して働きたい人 資格取得を目指す人 キャリアアップしたい野心家 接客が得意な人 整備経験が少ない人

ガソリンスタンドでは、リーマンショックの2008年あたりから油外販売に力を入れだした企業が多く、その頃に本格的に自動車整備業を開始した、自動車整備業後発の企業が多いです。

整備士採用のスキームを整えて行っている最中の企業もまだまだ多く、採用に対して柔軟性があり母体が商社などの安定感のある大手の企業も多く実力も評価されやすい傾向にあります。

多店舗展開企業も多く、指定や認証工場を立ち上げるため、全体的に自動車整備士不足が顕著です。

また、主軸は燃料販売となっているため、自動車整備の業務以外に、スタンド業務などの別業務が発生します。
そのため、自動車整備士経験が少ない方も、指定・認証工場ではない店舗にて、軽度な整備(タイヤ交換・オイル交換など)から携わっていけるチャンスがあります。

工員数を保つため、整備士資格を持っている方を募集すると同時に、自動車整備士資格がなくとも経験豊富であれば、能動的に動けることや教育・育成を期待され、資格問わず採用される可能性が高いです。

人によっては「整備の質」を懸念する方もいらっしゃいますが、みずからの働きかけが形に反映されやすいので、やりがいがあります。

また、企業によっては「集中車検センター」を設けて整備工場とスタンドを別離しており、完全に自動車整備のみに取組める企業もあります

カー用品店

こんな人におすすめ  資格取得を目指す人 整備以外の作業に携わりたい人 接客が得意な人 整備経験が少ない人

ガソリンスタンドに比べ、2級自動車整備士資格を必須としている企業は多いですが、カー用品店でもガソリンスタンドと同様、カー用品販売を主体として集客し、車に付随する自動車整備を取り入れだした、比較的に自動車整備が後発の企業が多いです。

カー用品の販売・設置がメインの事業となるため、電装品(ナビ・ETCなど)の取付業務、カスタマイズ、軽整備(タイヤ・オイル交換)が発生しやすく、「自動車整備士」以外の仕事が多く発生します。

なので、自動車整備士資格に捕らわれず採用の余地が多く、整備士経験が少ない方でも簡単なものから自動車整備に携わるチャンスがあります。

PDIセンター

こんな人におすすめ  大手企業で安定して働きたい人 整備以外の作業に携わりたい人 整備経験が少ない人

大きなディーラーになると、新車納車前整備のみを取り扱うPDIセンターと呼ばれる工場を保有していることがあります。

PDIセンターの場合、納車前の整備(ナビやETCなどの付属品取付業務)などの作業がメインとなります。
そのため、大手ディーラーであっても、自動車整備士資格が問われないケースがほとんどです。

正社員以外の働き方も視野に入れる

正社員ではないため、安定度は劣ってしまいますが、何よりも優先して自分のやってみたい作業内容で仕事を探したいという方に向いている働き方です。

嘱託社員(契約社員)で働く

こんな人におすすめ  大手企業で安定して働きたい人 接客が得意な人 整備作業にこだわりたい人

整備士資格がないけど経験が豊富な方の場合、就職難易度の高い首都圏の直営ディーラーでも特例枠を用意しているケースがあります
例えば、嘱託社員(契約社員)としての働き方であれば、3級自動車整備士でも受け入れ枠があります。

派遣で働く

こんな人におすすめ  整備作業にこだわりたい人 メカニック以外の職種を経験したい人 自動車整備以外の職務もやりたい人 整備経験が少ない人

社員の公平な評価のために、正社員は2級整備士資格を必須としていたとしても、 派遣枠は正社員とは別枠として扱われるため、資格要件が緩和されていることが多いです。
そのため、通常は2級自動車整備士が絶対必須の企業でも、入社できることが多いです。

また、自動車整備業界で派遣で働く場合、正社員登用を前提で働ける派遣会社が多数あります
派遣という働き方で実力を発揮すれば、 整備士資格がなくても、特例的に正社員登用へ切り替えができるケースもあります。

ただし、派遣は即戦力を求められることが多いです。
最近は“派遣の仕事は少しライト(軽い)”という印象をお持ちの方も多いですが、元々は“派遣は即戦力”という考え方が主流でした。

経験が少ない方だと、3ヶ月の短期での仕事となったり、「仕事を継続する」ということへの安定感に欠けます。
そのことを加味したうえで、「やってみたい」・「色々な経験を積める」仕事を探すのであれば、おすすめできる働き方です。

注意

就業先企業が「正社員は2級自動車整備士資格が必須」の場合、就業して実力を評価されたにも関わらず、正社員として登用できないケースがある。
大手企業の場合、会社の既定を変更することができないということもあるため、不安な場合は、自動車整備士資格がなくても正社員になれるのかを必ず事前に確認しましょう。 
整備士資格の取得要件に対応できない可能性が高い
派遣期間中の実務経験は、自動車整備士資格を実務で取得するための要件に記載の通り資格取得の対象になりますが、証明するのは仕事をする場所の会社(派遣先企業)になるため、第三者(派遣会社)を介すこととなり手続きがややこしく確実ではないです。
派遣会社の担当者と就業先企業の責任者の双方が居るときに、必ず事前に確認をしましょう

  自動車整備士資格を実務で取得するための要件
3級自動車整備士資格を取得するためには、自動車整備士としての実務経験が1年以上2級自動車整備士資格を取得するためには3級を取得したのち3年以上の実務経験が必要です。
実務経験に関しては、指定・認証工場であるかどうかは関係なく、職務の内容24か月点検などの法定点検を日常的にやっているor分解整備が絡むかなど)が基準となります。
※1、軽整備のみの経験値では実務経験とはみなされません。※2、分解整備は指定・認証工場でしかできません。)
実務経験内容を、雇用形態(派遣・請負等)は問わずフルタイムで就業していた旨を証明すれば、実務経験として勘案できます。
また、実務経験を証明するのは派遣会社などの仲介企業ではなく、実際に実務をする会社の責任者に受験者がどういった作業をやっていたかを証明をしてもらわないといけません
※詳しくは国土交通省 自動車整備士の受験資格についてのページ内下部、TEL番号までお問い合わせください。

腕に自信があるなら個人請負で働く

good  整備作業にこだわりたい人 今すぐ稼ぎたい人

請負形態での働き方であれば、こちらも社員枠とは別枠で就業できます。
腕に自信があり、営業折衝力があるというスーパーメカニックの方なら、リスクは高いけど稼げるという意味ではこのような働き方を視野に入れるのもアリです。

整備士資格を取得したい方⇒請負でも自動車整備士資格の受験資格の実務経験の適用にはなりますが、そもそも自動車整備士受験の実務経験年数が達していない時点では、この形態での働き方はリスクが高すぎますし、就業できる企業自体見つけることが困難です。

まとめ

自動車整備士資格の有無に左右されず転職するためには、企業形態や働き方、地域や入社する時期などの条件が揃うほど、特例的な内容も認められやすくなり、幅広い中から選択できるようになります。

また、求人要件に「2級自動車整備士資格必須」と書いてある企業でも、しっかり経験があったりモチベーションが高くやる気を感じれるエネルギッシュな人は、どこの企業でも欲しています。

あとは行動あるのみです。
この記事を参考にしつつ、自分なら活躍できるだろうと思える内容の仕事なら、求人誌に「2級整備士必須」と記載があっても、資格要件は気にしすぎず応募していってみるのも手です。

募集している仕事が「どんな仕事なのか?」をよく想像して、自分の持っている強みを一つずつ当てはめて行くことと、行動量が伴えば、あなたが活躍できる職場が見つかります。

また、今回は整備士資格がなくても仕事が探せるよう書いてきましたが、求人数・待遇面・昇進などいずれにしても、整備士を続ける以上は2級自動車整備士資格の取得を目指す方が堅実と言えます。
「資格なんてもういいや」なんて思わず、資格の取得は目指しましょう。

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  1. 2017年 5月 18日

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