日本の労働人口の49%がロボットに!?自動車整備士の将来への影響

日本の労働人口の49%がロボットに!?自動車整備士の将来への影響

前回、自動車整備業界は今後大きな変革期にー整備士の仕事が激減の予測にて、特に「自動運転機能のこと」や「整備士プラスαのスキルを伸ばすことの重要性」と、「自身のキャリア考える局面に来ていること」を書きました。

また、EV・VR・自動運転技術・果ては空飛ぶ車まで、多方面での技術革新が目覚ましい現在の自動車業界。

その中でも今回は、IoT・ビッグデータ・AIなどの技術革新がもたらす整備士の将来への影響に触れたいと思います。

一年前、IoTやらビッグデータやらAIということばを聞いても、何のことを言ってるのかピンと来なかったけれど、
最近、なんとなくニュースで良く聞くようになってきて、ぼんやりと意味がわかってきたという方も多いのではないでしょうか。

人間のように新しいことを学習してスキルアップできる、いわゆるロボットのことだと解釈するのがわかりやすいと思います。

人工知能の登場により、第4次産業革命とも言われる革命が起きようとしています。

厚生労働省は、
今後の雇用政策の実施に向けた現状分析に関する調査研究事業(平成28年度)の報告~IoT・ビッグデータ・AI等の普及・進展による雇用・労働への影響を検証~
という報告資料を、2017年6月1日にホームページ上で公開しました。

自動車整備士のみならず、「10~20 年後に、日本の労働人口の約49%が就いている職業で、人工知能やロボット等への代替が可能」といった試算結果等が発表されています。

また、この資料で特筆すべき点は、厚生労働省で公式に発表されている内容で、「今は自己責任の時代。企業が守ってくれるわけではない。」と明記されている点です。

今、正しく情報を捉え、自らのキャリアを考え、能力開発に取り組むべき局面に来ていることは明白なのです。

では、ロボット活用がどのように自動車整備士の仕事の将来に影響を与え、それを踏まえて今後どのようなスキルや能力を伸ばすのが良いのでしょうか。

そもそも、IoT・ビッグデータ・AIって何?

まず、本題に入る前に、おさらいをしておきましょう。

IoTとは 
「Internet of Things」の略で、「モノのインターネット」と言います。 パソコンなどの情報端末に関わらず、ありとあらゆるすべての「モノ」やヒトをもが、インターネットにつながることを指します。

自動車業界で言うなら
ナビがインターネットにつながる
自動車の部品がインターネットにつながる
自動車そのものがインターネットにつながる など 

 

AIとは 
人工知能のこと。コンピュータ上で人間と同じ知能を実現させようとする取り組みや技術のこと。

自動車業界で言うなら
googleの完全自動運転技術 など

 

ビッグデータとは 市販されているデータベース管理システム(Excelなど)では記録や保管、解析が難しいデータ群のこと。
「巨大なデータ」、「様々な種類・形式のデータ」、そして、それらを扱える「仕組みやシステム」のことを指す。

自動車業界で言うなら
販売店の担当エリアでの潜在顧客分析するためのデータやシステム
整備・事故歴等の確認による、オークションを含めた中古車売買時の価格の透明性の担保するためのデータやシステム など

 

活用の一例を挙げると、IoTでモノとインターネットを繋げ、企業が様々な情報をキャッチしてより良い製品販売をするためのデータを集めます。
キャッチした情報はビッグデータとして集積し、AI(人工知能)で解析します。
また、それらの情報をさらに別のモノへとスピーディに繋げ、消費者が便利に活用できるようにします。

そうすることで、人が働きにくい夜間であっても、迅速に作業が行われたり、スピードを持った対応が見込まれ、効率の改善や少子高齢化による人手不足の解消に繋がります。

そもそも、日本人はとても残業が多いと言われています。
一人ひとりがより効率的に仕事をこなせ、過度な残業を減らして、よりプライベートを充実させるということを目的として取り入れて行きたいと考えている企業が圧倒数を占めています。

ロボット活用=失業には直結しません

ただし、ロボット活用で人手をはぶく効果が⼈⼿不⾜を上回れば、失業に繋がってしまうことが危惧されています。

雇用が減ることはあっても、増える見込はないということです。

遅かれ早かれ多くの企業がAI等の進展・普及の影響を受けることになるにも関わらず、対策を講じている個人や企業が少ないということが懸念されています。

将来に及ぼす影響

汎用AIが2030年に登場すると言われています。

汎用AIとは 
現在主流は特定型AIと呼ばれ、特定の決まった作業を遂行するためのものです。
例えば、googleの自動運転車は、車の運転には優れた知能を持ち合わせていますが、車の運転以外の作業への応用力がないのです。
汎用AIとは、特定の作業以外にも、自身の能力を応用して対応できる人工知能ことです。

現在 40 歳前後の大卒以上のホワイトカラーのうち 5 割以上の⼈について、2030 年には担当業務の一 部が AI 等で代替されると考えられている。

AI 等を効率・生産性向上の目的で活用しようという企業の割合が高い部門(総務、人事、生産、調達・仕入)で、強い影響を受けることが予想される。

工程が単純化されやすい作業は特に、ロボットに代替されやすい作業となります。

今ある業務の中で減ると考えられているもの
経理、給与管理等の人事業務が減少する
データ入力係などのバックオフィスのホワイトカラーの仕事が減少する
IoTを駆使したサプライチェーンの自動化・効率化により、調達の仕事が減少する
顧客ニーズの把握や商品・サービスとのマッチングがAIやビッグデータで効率化・自動化され関係する営業・販売の仕事が減少する

 

製造業で対象に上がる業務例
金型設計や基盤設計など、今までは設計知識が豊富な設計者が必要だった設計工程で、人工知能を用いる動き
強度を保ちつつ軽量化を行うなど、従来は熟練の職人が知識や勘で行っていたのに対し、CADやCAEといったソフトに人工知能を用いることで自動で計算が可能に

疲れを知らないロボットは、昼夜問わず、作業の質を落とさず働き続けてくれます。
しかも、人間が読み込めないような膨大なデータを読み込み、教えれば教えるほど、自分の能力をも上げていきます。

自動車整備士の仕事はメンテナンスの仕事が増えるのではないか、という内容を以前書きましたが、不具合の有無の確認(点検)、見つかった不具合箇所の部品交換などは、ロボット化の対象になりがちな作業ではないかと思います。

けれど、だからと言って悲観的にならないでほしい。
多かれ少なかれ、どんな職種に携わろうとも、同じように仕事がロボットに代替される問題を抱えています。
悲観的になるのではなくて、「じゃぁ次はどうするのか?」を考えて柔軟にキャリアアップを図ることが、今後必要とされる能力でもあるのです。

これから身につけなければいけない能力

どこに向かってキャリアアップをするべきか?に対しては、下のような記述があります。

「AI 等を取り入れた新しいツールやシステムを使いこなす力を身につける」
「AI 等に代替されにくい能力・スキルを強みとして伸ばしていく」
「AI 等の活かし方を考えるための創造性やデザイン力を身につける」

されど、なんだかピンと来ない表記ですよね。
特に、創造性やデザイン力を身につけるって、具体的に何をしたらいいのかわからない。

AI 等を新しい価値の創出目的で活用しようという企業の割合が比較的高い部門(開発、経営企画)では、従業員の担当業務が(代替ではなく)新規創出される、業務量が増加すると考える企業の割合が相対的に高い。

何かを創造する(新しいモノやサービスを開発する)仕事が、ロボット時代でも必要とされる、ということがわかってきました。

AI 等により定型的な業務や繰り返しの作業が代替され、その分、従業員は、「人」が担当する業務に以前よりも時間を割けるだけでなく、同時に高度な判断、高度な対人能力が要求される業務のウェイトが高まる可能性。

ロボットにはできない能力=
「高度な判断能力」「高度な対人能力」を身につけないといけないということです。

来る将来に備えて、高度な判断能力を持って何かを創造する能力が必用

これから職場で導入されるロボットが持つ特性を良く理解して、様々な不具合に対して臨機応変に業務を遂行させる仕事は、人間にしかできない作業です。

IoTをするには、そのモノや業界の知識と、インターネットの知識、アプリなどの繋がる先の知識の双方が必要になります。

整備士さんは、車の専門的な知識は既に持っています。
ITエンジニアになる必要はないけれど、何がどのように繋がるのかや仕組みの理解、導入されるロボットのことなどを理解し、それらを複雑に組み合わせより良い結果を返す判断は、やはり人間のする作業となります。

また、どんなロボットを導入すると一番効率が良く結果が出るのか?など、ツールの選択や判断なども、自動車整備士の知識があったうえでさらに必要な知識となり得るでしょう。

また、新しいモノやサービスは、ITとの融合により、物凄いスピードで次々に変化します。

それをやりこなすためには、新しい常に学び続けることが必要となります。

高度な対人能力を磨くことが、将来のキャリアを考えるには必要不可欠

今ある業務の中で増えると考えられているもの

個々の顧客に合わせた高度な提案が求められる仕事
人が直接対応することが質・価値の向上につながる仕事

つまり、対人への仕事は変わらず人間が担うという見解が強いです。

ロボットは、多くの情報を読み込み、論理的でブレない、人間より優れた解析結果を弾き出すことができますが、人間のように感情を持ち合わせません

何かの記事で読みましたが、ロボットに、「状況に応じて嘘をつくこと」だけは教えられないのだそうです。

人間が持つ感情を多方面から読み取って、臨機応変に行動することは、人間にしかできないのです。

あなたなら、ロボットが言うことを信じてモノを買いますか?
あなたなら、ロボットが接客するバーに毎日飲みに行きたいと思いますか?
あなたなら、上司がロボットだったら、言うことを聞きますか?
あなたなら、ロボットにダイビングを教えてもらって、充実感を得られますか?

何か本当に欲しいものが決まっている時は、人の言うことに目もくれず、可能であれば狙っている商品より安いモノを買いたいと思います。
だけど、何かで迷っていたり、わからないことがある中で検討しないといけない時など、何らかの事情を考えて感情に寄り添い商品を提供できるのは、人間にしかできません。

ロボットが接客するバーなら、初めは興味本位で出向くこともあるかもしれませんが、本来は日ごろの鬱憤を晴らしたり、人の温かみを感じるためにお金を支払いますよね。
それができるのは人間の成せる業です。

人間は、承認欲求を満たすことで、新たな働く意欲に繋げます。
ロボットが上司だったら、どれだけ正しいことを言われても、「その人に認められたい」という気持ちが働かず、仕事にやりがいを感じれなくなります。

ダイビングはイメージないかもしれませんが…。
私はダイビングをするのに、海の中の綺麗な景色と、そこで出会う人との温かいコミュニケーションを期待してお金を支払います。

そう、「対ヒトに直接関わる仕事」は、変わらず人間が担います。

最近、自動車整備士が、接客まで対応するように求められる企業が多いと思います。

作業に没頭したい、車に向き合いたい、接客したくないという職人気質の整備士さんが多いのは重々承知してますが、ぜひ、人とのコミュニケーション能力は磨くべきです。

これから必要とされる能力
 情報収集能力
 課題解決能力
 論理的思考等の業務遂行能力
 チャレンジ精神や主体性、行動力、洞察力等の人間的資質
 変化への柔軟性
 企画発想力や創造性
 コミュニケーション力・ネゴシエーション力(交渉相手とともに課題を解決する建設的な協働のプロセスを成功に導く力)

全部じゃなくてもいいんです。
自分の得意なことから一つずつ、意識的に身につけていきましょう。

前回の記事で、自動車整備士は車以外の仕事へは応用が利き難いと書きましたが、
このような人間力は、人工知能以外のどんな新しい技術が出てきても変わらず必要となり、かつ他業界へも応用が利くものとなりやすいのです。

まとめ

これからの働き方の変化
新しい役割へのシフト
担う役割が変わる
新しい能力の会得を求められる

将来のために身につけるべきこと
役割の変化
新しい技術へ適応し、使いこなす(AIに置き換えられない能力を身につける(IoT、ビッグデータ、AI等)
AI等を取り入れた新しい技術を使いこなす
AI等に代替されにくい能力・スキルを磨く
変化への柔軟な対応力を身につけ、新しく求められる能力を身につけるために学び続ける

歳を取るほど、若い方が優先されて仕事が減ってしまいます。

その時にも自分が安心して余裕を持った生活ができるようにするには、その変化に柔軟に適応していく必要があります。

何も考えなくてもどうにかなるか、という問題でもないし、今からではまだ早い・今からではもう遅いという状況ではない。
「人の働き方が変わるのは時間の問題」、「ロボットと協働していくことが、これからの人間の評価軸として定着していく」と予想されています。

10年後に後悔する将来を迎えないためには、今後のキャリアに対して自分自身が責任を持って考え、なにか一つでも行動に移していくことが必要なのです。

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